Blog

Bechstein Model 9

2024.10.09


このピアノに出会ったのは約50年前の東京。そして約35年前に自分以外の家族と共にアメリカに旅立って以来ずっと離れ離れでした。先月末久しぶりの帰国を果たし我が家で再会。もともとドイツから神戸にやって来たのが昭和元年1926年なので2度目の来日でした。曽祖父が曽祖母のために神戸で買ったらしいのですが、情報はそれぐらいです。50年前に神戸から東京に来たこのピアノに出会ってなかったら、おそらく今ボクはピアノを弾いたりしていないでしょう。
今年に入ってから父の要望もあり急遽このピアノ大移動を思い立ったのですが、まずぶち当たった大問題はワシントン条約に基づく象牙鍵盤輸送の規定でした。とてもとても難解な手続きを全て英語でしなければならず!!通常ほとんどの方はアメリカから象牙鍵盤のピアノを運ぶ際は象牙部分だけ諦めて剥がして日本に輸送するらしく、運送会社の方からもそう薦められました。けど個人的にどうしてもあの『タッチ』が忘れられず、悩んだ末CITESという手続きに挑むことを決めました。結果もの凄く時間がかかり大変過ぎて何度あきらめようと思ったか分かりませんでしたが、アメリカ在住の妹の助けもあり何とか無事大移動計画を終えることができました。もしこれから象牙の輸送をお考えの方には絶対におすすめしません!笑 
いろいろあったけど1音目を弾いた瞬間、『あーこれこれっ!』昔弾いていた感触を思い出して静かに感動しました。唯一無二のタッチ!!音色も独特!!CITESの膨大な手続きの中の一つに【その象牙はどこの国出身の象の牙ですか?】というのがありドイツBechstein社に問い合わせたこともありましたが、これからは1926年ごろに使わせてもらったアフリカ象にも感謝しながら心して弾こうと思います。調整がうまくいけば録音もしたいなぁ。。
さて、まもなく始まる全国ツアーもめちゃめちゃ楽しみです!!会場でお会いしましょう♪

 

 

 

 
↓「Sparkle X -Complete Box-」いただきました!

 
↓Tour Rehearsalは順調です♪ いろいろお試し。